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あれは、長女が3歳くらいだったろうか。
まだ3人家族だった我家は、木曽路の奈良井宿に行ったことがある。
折からの雨で、木戸はしっぽりと濡れ、宿場の雰囲気が伝わってきたことを思い出す。
「そういえば泊まった宿も、うなぎの寝床だったな。この部屋でこの値段かよ、って記憶しか無い」
昔からの宿場町の雰囲気を求めて行ったのだから、いまさら文句は言えまい。

その後、子宝にめぐまれ、末っ子の長男も、この秋巣立っていく。

「この秋、また二人でどこか行こうか。あのときは、“若いのにずいぶん渋系だな〜”って」
「あっ、そ。でも、また、二人のスタートラインだな」
「そうだね。で、いつまで渋系オヤジでいるつもり?」

秋晴れのある日、行楽のドライブも兼ねて、妻と二人、立ち寄った「白井(しろい)宿」。
秋晴れの空に、白い漆喰の蔵つくりが、目にも鮮やかに飛び込んでくる。
角度のある屋根瓦や、蔵の明り取りの格子窓も、不思議と懐かしい。
子供の頃、田舎には良くあった風景に、いきなりタイムスリップしてしまう。

「白井宿」は、その意味からすれば、旧街道に栄えた宿場町ではない。城下町である。

当時この付近には、佐渡金山管理のための佐渡奉行が現地に赴く際の近道となる「佐渡奉行街道」、沼田藩主が参勤交代に使った「沼田街道」、江戸から三国峠を越えて越後に通じる「三国街道」などが交差していた。さらにそれらの街道は、「中仙道」、「日光例幣氏街道」「会津街道」などと分岐していた。
「白井城」は、そんな交差点を見下ろす高台にあった。その城下町は、いわば「本通りの交差点から一歩入った歓楽街」だったといわれている。「白井は、京洛の如し」ともいわれたほどだったらしい。

宿場街らしい、中央のまっすぐな用水路。それにそって、点々と設けられた釣瓶(つるべ)式の井戸。用水路を、まるで守る様に植えられ、今でも憩いの木陰になっている八重桜の並木。さらに、用水路を左右に挟む、一方通行の車道...

そんな町並みの中を、学校帰りの小学生たちが、大きな声を出しながら駆け抜けていく。
すべては、不思議な錯覚だったのだろうか。

古い町並みを散策した後は、金井酒店の地酒「白井宿」や「白井城」などはいかがだろう。きっとここに立ち寄った記念になるに違いない。

DATA  
上野国(こうずけのくに)白井宿

【住所】〒377-0204 群馬県渋川市白井

【交通】JR上越線渋川駅から
関越交通バス桜の木行きで15分、
鯉沢下車、徒歩10分

【駐車】無料72台

【問合】 0279-24-1211
渋川市子持総合支所経済建設課
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