美しい風景と雅な菊花の競演

その名のとおり、美しい景観で知られる「ながめ公園」は、トロッコ列車で有名なわたらせ渓谷鉄道の大間々駅から徒歩５分の場所にあります。広大な敷地の中には、約1,300鉢の菊が所狭しと飾られており、とても華やかな雰囲気に包まれていました。

菊花というと、大振りな鉢植えの花を想像していたのですが、実際にはその種類も様々。よく知られている鉢植えの菊は「盆養」と呼ばれる部類に入るのだそうです。花びらの形によってさらに種類が分かれており、肉厚の花びらを持つ「厚物」や、繊細な雰囲気の「管物」などがあるそうです。一つとして同じ形の花はなく、一輪一輪が競うように咲き誇っている姿は、気品さえ感じさせる美しさでした。

“関東の耶馬渓”　高津戸峡

“関東の耶馬渓”と呼ばれる景勝地、高津戸峡の眺めがいいからと、その名が付いた「ながめ公園」。その昔は、北関東で「ながめ」を知らない人はいないと言われるほどでした。
渡良瀬川の美しい流れと渓谷とが織り成す風景は、まさに絶景です。

紅葉の見ごろは、これから１１月末頃にかけて。
菊花大会の開催期間中は、紅葉に染まった渓谷の風景を楽しむことができそうです。

「ながめ公園」から高津戸橋までは歩いても数分程度の距離。
菊花を楽しんだ後は、ぜひ高津戸峡まで足を伸ばしてみて下さい。

関東屈指の菊花大会

群馬県太田市。『子育て呑龍』の名で親しまれている「大光院」の境内には、関東全域から集められた約1,000点の菊が美しさを競い合っています。

折りしも、七五三の季節を迎え、可愛らしい着物姿のお子様を連れた家族連れの姿も見かけられました。愛らしい稚児姿と、凛とした立ち姿の菊花。どちらも、見る者の心を癒してくれます。

菊の花言葉は『高貴』。境内に整然と並ぶ菊の姿は、まさに花言葉に恥じぬ気高さと美しさです。こちらの会場でも、多種多様な菊が展示されており、人々の目を楽しませてくれます。

童話“分福茶釜”でおなじみの「茂林寺」でも、菊花大会が開催されています。

静かな山門をくぐると、表情豊かな２５体の狸像とともに、「千輪咲き」や特殊作りの菊花が出迎えてくれます。境内に飾られている菊花はそう多くはありませんが、静かな境内とマッチして格別な雰囲気を醸し出しています。日常の喧騒から隔絶され、ここだけ時がゆっくりと流れているような・・・そんな印象を受けました。

また、通りを挟んで向かいに設置された特設会場では、三本盆養や盆栽など、約800点の菊花が展示されています。中でも、「ダルマ」と呼ばれる背の低い菊の花は、どこかしら境内の狸さんたちを彷彿とさせるような愛らしい姿をしていて、この会場にびったりの雰囲気。月夜の晩に、狸たちが踊りにきてくれそうな、そんな趣のある展示会場でした。