なかでも、山麓をぬうように南北に走る県道196(通称「妙義紅葉ライン」)から見上げる紅葉は、岩肌と秋空と紅葉が主張しあう。 平野部の公園などで見かける紅葉絨毯などと違い、どこか吸い込まれてしまいそうな不気味な程の魅力がある。
駐車可能な場所も点在し、県道脇には歩道もあるので、車から降りて少し歩いてみたい。
「さくらの里」付近から、「第一石門」「朝日岳」「金洞山」方向。2006.11.03
この季節、空に紺色が残るのは8時頃まで。日差しが高くなり、遠くが霞み始めるのは9時頃から。 登山ルートの選定と所要時間から、出発時刻の参考にされてはいかがか。
まずは雨具と水とお菓子をもって、履きなれた靴で出かけよう。充分な下調べと軍手も忘れずに。
そして、不安を感じたら潔く戻って欲しい。妙義山は、練馬から1時間30分程度。また次に来る目標に残して、ゆっくり下山したい。
中之岳神社には、大黒の滝に因んだ、きらびやかな大黒様の像。疲れて下山した人の目を和ませてくれる。 振り返れば、切り立つ妙義の岩山。それらを返り見ながら頂く甘酒は、身も心も温まる。登山途中に通ってきた、思わず足がすくんでしまう岩場の残像が、思い出に変わる瞬間。
「妙義紅葉ライン」の見所は、なんと言っても妙義神社〜中之岳神社の間。 途中には、地場野菜の直売所や妙義ふるさと美術館などもあり、旅の土産にどうぞ。
妙義ふるさと美術館の、2・3階からの360度の展望はすばらしい。紅葉の季節であれば、西は妙義の紅葉を、東は足元の庭園に広がるコスモス越しに広がる関東平野を、北は赤城・榛名といった山々を眺望できる。 また1階の常設展示では、昭和58年から開催されている「妙義山を描く絵画展」の入賞作品を、実物の山を眺めながら鑑賞する、珍しい体験が出来る。