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グリーン ツーリズム
農山漁村など、日頃味わえない自然に近い場所で、の〜んびりと、
農林漁業体験やその土地の文化に触れ、
地元の人々との交流を楽しむ旅。

観光旅行とは違い、スケジュールやカリキュラムはたてない。
それでも、見つかるものは多く、感動も大きいはず。

さあ、自然の中に、田舎にいらっしゃい。

群馬県 片品村 越本地区のほぼ中央にかまえる、「弘化の庄 かしや」。
そのユニークな屋号は、察しのとおり、菓子(ラクガン)の製造卸をしていたなごりだとか。

宿では、気さくな若女将が、古くから伝わる漆器や箪笥を見せてくれる。若女将自ら、この土地や風土、文化や人とのふれあいに魅せられ、嫁いできたのだという。
ポスターサイズの越本の地元マップを頂いた。ヤマメや岩魚の掴み取りの出来るポイントや、リスを捕まえられる場所、ビューポイントなど、通過するだけでは見ることの出来ないスポットが紹介されている。

「地元の尾瀬豆腐さんに教わりながら、体験豆腐作りもやるんですが、美味く出来なくて...」と、若女将。

天気もよく、散歩日和だということで、歩いて5分程の「かしや」さんの畑に、トマトの収穫に案内された。他にも、ナスやきゅうりも作っている。「今年は田んぼに、古代米も植えてみたんです」とおっしゃる若女将。巧くいけば、お客様にも味わっていただけると意気込んでおられる。

「そこの川原に降りられるんです。アユや岩魚の掴み取りも出来ますよ。親子で、時間を忘れて楽しめます」「川の向こう岸、あの桜の木の下は、味噌なめ婆。昔は子供が風邪をひくと・・・」。続きは、是非、若女将から伺って欲しい。

「よくこちらに遊びに来られた方が、山菜を根こそぎ摘んで行っちゃうんですよ。私たちは、次の分を残すことで自然と共存しています。もっと互いに和めれば、こんなトラブルは起きないのに・・・」

スーパーで野菜を買うのと、育てた野菜を収穫したり山菜を摘んでくるのとでは、自然の恵みにあやかる点で大きく異なる。
田舎で過ごし、農業体験を通じてそこの人たちとふれあい、自然の恵みとはなにか、自然や人と共存するとはどういうことなのか、少しでも解かっていただきたい。
「そのためには、受け入れる我々の意識改革も必要なんですが」と、おっしゃっていた。

DATA
弘化の庄 かしや
【住所】〒378-0413 群馬県利根郡片品村越本1693
【TEL】 0278-58-2425 【FAX】 0278-58-3805
【URL】http://www8.wind.ne.jp/kashiya
いつも笑顔の、人のよさそうなオーナーが、出迎えてくれた。
エントランスには、素朴で味わいのある木製のオブジェや、季節の花が並ぶ。

写真のセンターハウスや、10棟あるコテージを取り囲む、杉の木の天辺には、鳥たちが巣を作っている。
また、手作りの巣箱も、あちらこちらの木々に、結わえてある。
「あそこの巣箱からは、この春、巣立ったんですよ」

センターハウス2階は、バレエやダンス、吹奏合宿練習にも最適な、広々としたホール。
「もっと交流的な使い方が出来ないかな。例えば、バレエ合宿の最終日に、地元と親睦の発表会をするとか...」
オーナーも、現在、思案中である。

「今、去年作った露天風呂を、改修してたんです。大雪であちこち傷んでしまって...」早速見せて貰うことにした。
ベルギー煉瓦で丸く縁取られた、2つの浴槽からは、立派な白樺の大木と、杉の木立越しに、まばゆいばかりの緑が飛び込んでくる。

ステキですね、と告げると、
「都会からのお客様の中には、ムシが居るので嫌がる方もいらっしゃるんですよ。マムシならともかく(笑)。虫が苦手では、ここでのんびりって、やっぱり出来ないのかな...」と、ちょっと困惑気味。

「ムササビの滑空って見たことありますか。モモンガじゃ無いですよ。30×30cmのお盆に、ふさふさのしっぽが付いている感じで、ス〜っと舞い降ります。ここは、そんなネイチャリング・ワールドなんです」

オーナーの心配は、
都会暮らしに慣れた生活と、ここでの生活との、ギャップ。
「畑の仕事をしたければ、ご用意して御座います。
野趣溢れる山村のライフワークも、ご準備できます。
地元とのふれあいや交流も、うちのホールを使ってください」

「そして、あなたが、そう、したくなる時を、心待ちしております」

DATA
リゾートイン 片品
【住所】〒378-0413 群馬県利根郡片品村越本730
【TEL】 0278-58-2334 【FAX】 0278-58-3840
【URL】http://www.oze.gr.jp/~crk
男なら、一度はやってみたい、スモーク作り。
素材によって、熱燻や温燻・冷燻など、素材にあわせた工法も様々。奥が深い。
おすすめは、本場ドイツで修行したオーナーの経営する、「ペンション シェモア」。

本格的なスモーカーなど無くても、ダンボール箱やフライパンで手軽に出来る牛・豚・鳥・魚の燻製方法や、お酒に合う食べ方、アウトドアでの燻製の裏技など、話を伺って欲しい。
「時間が許す限り、是非、体験なさってください。ご自分で作ったスモークは、最高です」

当然、ペンションで出されるディナーの前菜は、オーナー手作りの、自慢のソーセージやハム。

実はオーナー、ハム会社や直営販売店まで作ってしまい、今ではペンション経営は奥様に任せきり。
数年前の某有名料理雑誌に、燻製特集で3刊組まれるほどの、第一人者。

早速、燻製つくり体験に挑戦。
温燻のベーコンなどは、塩やスパイスの漬け込みや乾燥に10日ほど掛るので、そこまでは自分でやっておく。自信が無ければ、オーナーにお願いしても良い。
川魚の熱燻なら2日あれば、漬け込みから乾燥・燻製まで一通り体験出来る。

「お越しいただく前に、スモーク体験がしたいとお伝えください。何を造られたいのかおっしゃって頂ければ、万全の準備をしてお待ちしております」なんとも心強い一言。

最近は、住宅等の諸事情で、煙を出すことが許されない。焚き火はおろか、キッチンでも報知器が作動してしまう。
「手付かずの自然があふれる武尊(ほたか)高原で、思う存分スモークを楽しんで欲しい。男のロマンや、父親のカッコいい所を大切な誰かに見せてあげて下さい」
1997年、オランダの食肉加工コンクールで、2冠を制覇したオーナーの目は、そう言いながら、自分の事のように輝いている。

DATA
ペンション シェモワ
【住所】〒378-0408 群馬県利根郡片品村花咲
【TEL】 0278-58-3723 【FAX】 0278-58-3844
【URL】http://www.club-e.co.jp/~pension
「”囲炉裏”と聞くと、川魚の塩焼きや鍋物を思い浮かべる方が多いようですが、それだけじゃ無いんです」
そう言って出されたのは、おやき。
「この地方では、火の周りの灰の中に潜らせて、蒸し焼きにします。焼加減もそうですが、皮の塩加減や中の具の塩梅は、家ごとに違うんです」

「ぬく湯荘」では、そんな懐かしい味を、手ほどきしてもらえる。

「おやきは、子供のおやつや、お茶の共で摘みます。野良仕事の合間にも、差し入れに持っていきます」
疲れた身体に、ミネラル補給といったところか。
「ご家庭のフライパンで、焼いて作るやり方もあります。焼いておいて、食べるときはチンすれば、ホクホクですよ」

おやき作りの手ほどきは家内に任せ、「お爺さんは、山へ芝刈りに...」ならぬ、山菜取りに出かけよう。
「ぬく湯荘」では、頼めばご主人が同行してくれる。

溢れんばかりに芽を出す山菜に、
「一番美味しそうなところを、今日、食べる分だけ。必要な分だけ...」と、自分に言い聞かせながら、摘み取る。

そうか、山の恵みは、限りが有るものなのだ。
採り過ぎて、食べ残して捨てたら、もったいない、もったいない。

「山菜を取る」のは、「どれだけ取れたか」ではなく、「いちばん美味しいところを、必要な分だけ取れたか」が、大切なのだ。

採ってきた山菜や野菜を、藁のたわしを使って湧き水で洗い、家内に渡す。

今夜は、山菜の天ぷらかな?それとも、お浸しかな?
これほど、晩ご飯が待ち遠しいのは、久しぶりだ。

代わりに、家内の作ったおやきを渡された。「んっ!! こりゃ美味い」

DATA
武尊高原の民宿 ぬく湯荘
【住所】〒378-0408 群馬県利根郡片品村花咲 1693
【TEL】 0278-58-3230 【FAX】 0278-58-2947
【URL】http://www6.ocn.ne.jp/~nukuyu
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