鬼怒川ライン下りなどでは、下から見上げる奇岩・怪石に呼び名があるように、ラフティングは、激流や滝落ちのスポットにユニークな名前が付いている。インストラクターさんが、ジョークを交えて教えてくれるのも耳に入らず、 「キタッ、キタ・キタッ・キタ----ッ」「ドッバ----ン」「バッシャ----ン」(沈)
それでも後半になると、やがて余裕をとりもどす。インストラクターさんの「漕いで、漕いで !!」「しゃがんで !!」の合間に、余裕のVサイン。終わる頃には、艇全員の不思議な連帯感。 およそ1時間半、ゴールに着いたときは、正直、膝が笑っていた。
笑顔で見送ってくれるインストラクターさんにお礼を告げ、日本ロマンチック街道をドライブしながら、沢渡温泉へ。 みなかみでは、ちょっと早かった新緑も、日本ロマンチック街道沿いは見頃。 榛名山を北側から眺めながらのドライブは、窓から入る風も爽快。
車の中は、ラフティングの体験談と、電源PR館の土産話で盛り上がる。水力発電とダムの仕組みを、夏休みの自由研究にしたい小学生二人に、中学生の長女は、いつでも来れると真向反対。夏は絶対、ファミリーラフティングと、唾を飛ばしながら説得していた。
数年前まで、地元地方銀行に勤め、支店長代理までこなしていた若旦那は、客にへつらいすぎることもなく、まるで友人の家に泊まりに来たかの様だ。
妻のために、先ほどの若旦那に秘伝「一浴玉の肌」の入浴法を伺うと、まるで金融融資の説明でもするかのように淡々と説明してくれた。 1、気分はゆったり入浴。 温まったら、掛け湯せずに浴室内で休憩。これを3回繰り返す。 2、次の入浴までは、1時間おいてから。外を散歩するも良し。 3、これを、1日3〜4回繰り返す。飲泉もすべし。 4、これを3日以上続ける。 三日もくつろげないが、今夜一晩、柔らかなお湯に浸りたい。
地元の特産がふんだんな朝食をすませ、 向かいの駐車場に STEPWGNを迎えにいった。 エンジンをかける。「今日は、久々に、ワインディングを走るぞ」 「OK、オヤジさん。早く荷物、積みなよ」 最後の荷物を積んだとき、サスペンションが、グゥと鳴った。
お昼のバーベキューを焼きながら、馬との対話のことを話したら、 「あなたの前世は馬だったのね」と、妻にしみじみ納得された。 まるで解かっていない。男は、乗り物たちと話の出来る、1/2のミュータントなのだ。今は、目の前のテンダロインに夢中でかぶりつく息子も、そのうち、解かる時が来るだろう。
今回紹介した「上州豚の味噌とんかつ」「乱切り蕎麦」の他にも、特製ベーコンやコンニャクなど、上州の味覚が満載。 さらに、天気の良い日はSA裏手の遊歩道やヘリポートからは、谷川岳をはじめとする山々が一望できる。 ドライブに疲れたペットにもやさしいオアシス。
客室こそ18と、決して大きな旅館ではないが、肌にやさしい温泉の効能はもとより、若旦那自ら仕込む山里料理は、心温まる。 一度訪れると、忘れられなくなる旅館。 沢渡温泉街は道幅も狭く、勾配もある。車高の低い車は特に運転に注意が必要。
1日に150本は出るという、小竹の焼饅頭。 目の前で焼きあがったまんじゅうを、出してもらった渋めのお茶を片手に摘むのは、目にも鼻にもたまらない。 季節によっては、おでんなどのサイドメニューもある。